シャブリ/CHABLIS、ミネラルなワインの代表格
ミネラル感はどこからくる?
ぶどう樹は成長のためにミネラルを必要としますが、ここで言うミネラルは水溶性の成分で、根から吸収されます。ところが地質学者たちは、一般に岩石と呼ばれる地質学的ミネラルと、例えばミネラルウォーターのボトルに記載されているようなイオン化して溶け込んでいるミネラル分を混同しないようにと注意喚起しています。もちろん、すべてのワインはミネラル化合物を含んでいますが、その含有量は人間の味覚では感知できないほど低濃度です。鼻や口で感じるミネラル感は、どこか他からきているのです。
2000年代初頭にはアロマ分子の研究が盛んになりました。ドゥニ・デュブルデュー(Denis Dubourdieu)教授は、特に白ワインの中で煙や、火打石、珪石が多く含まれるシレックスの香りをもたらすベンゼン・メタンチオール分子を特定しました。また最近では、肉やチーズ、完熟トマト、醤油などに含まれる、甘味半分、塩味半分の「旨味」が、グルタミン酸に由来することが化学的研究により明らかになりました。そしてグルタミン酸はぶどう樹やワインに、例えばシャルドネ/ Chardonnayに含まれています。探索の道は開かれましたが、今後まだまだ開拓することはたくさんあるでしょう。
『When Pure Chablis Meets Art 』コンテスト2017グランプリ《Le Corps et l'Esprit(体と心)》Samy Belades
ミネラル感をどう表現する?
3つに大きく分類して
磯っぽさ
- ヨード
- 貝殻の内側
- 生ガキ
- 波しぶき
土っぽさ
- チョーク、白色石灰岩
- 火打石、シレックス
- 火薬
- 濡れた石
- 乾いた大地に降る雨
スモーキーさ
- 硫黄(擦ったマッチ)
- 燻煙香
- ラプサンスーチョン茶(松の煙で燻した中国茶)
- スモークウッド