レ・フルノー/Les Fourneaux,モレン/Morein,コート・デ・プレ・ジロ/Côte des Prés Girots
レ・フルノー/Les Fourneaux,旗印となるクリマ/CLIMAT
特徴,歴史と伝説
- 2つの言葉が、このクリマ/ Climat の神髄を見事に体現しています。コクがあることと、ミネラルの繊細さです。完璧に熟したぶどうと、ワインのストラクチャーを形成し、少しの酸味をもたらすキンメリジャンの泥灰岩の間で、微妙なバランスが取れています。レ・フルノ―/ Les Fourneauxは、若いころから飲んで楽しめるワインであり、数年待つこともできるワインです。
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レ・フルノ―/ Les Fourneauxの最初の足跡は、1537年までさかのぼらなければなりません。当時、このリュー・ディ/ lieu-ditの名前はフランスでは良く見られたもので、単数形で書かれていて、明らかに暑さと関連しています。古い石灰窯(fours à chaux)の名残でしょうか、あるいは生産者の肌もぶどうの果皮も焼いてしまうほどに太陽光が強かった名残でしょうか? どちらも可能性があるといえます。
モレン/Morein
特徴,歴史と伝説
- モラン/Moreinはとてもバランスが良いです。南に向いていることで、日照に恵まれ、果実味が豊かな一方、キンメリジャンの泥灰質が、ワインに繊細なミネラル感と適度な酸味を与えます。モラン/Moreinは、コクがあり陽気で、若いころから親しみやすいワインを生み出します。2~3年で頂点に達しますが、もう少し長い時間、カーヴで寝かしてもよいのです!5年後、あるいはそれ以上でも楽しんで飲むことができます!
- モラン/Moreinは、慎み深く、その名前はあまり使われません。ラベルにはむしろ、代表的なクリマ/ Climatであるレ・フルノ―/ Les Fourneauxの名前が記載されています。
- モラン/Moreinの語源には4つの可能性があり、このクリマ/ Climatの名前の真の由来を知り得ることは難しいといわれています。浸食による土地の堆積を意味する「モレーン« moraine » 」から来たとする考えもあれば、中世に植えられていた古いぶどう品種 « moraillon »、 « morillon »とする考えもあります。あるいはこの土地の所有者が« Morin »という一族であったという考えもありますし、このぶどう畑で働いていた生産者が、「背中の下の方の腰が悪い« maux reins »」や 「腰の耐え難い苦痛« morts reins »」があり、背中の痛みに苦しんでいたのであろうという考えもあります。
コート・デ・プレ・ジロ/ Côte des Prés-Girots
特徴,歴史と伝説
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あまり知られておらず、脚光を浴びることも少ないですが、このクリマ/ Climatは、回り道をして寄る価値があります。全面的に南に向いているので、ぶどうが良く熟し、ワインも熟したものとなり、シャブリ/Chablisに典型的なヨードのようなニュアンスが感じられます。コート・デ・プレ・ジロ/ Côte des Prés-Girotsのワインは、とても良いバランスを見せることが多く、ヴィンテージによりますが、5~7年の熟成能力があります。
このクリマ/Climatの名前は、あまり使われることがなく、一般にはあまり知られていません。 - 実際、このクリマ/Climatからのワインは、コート・デ・プレ・ジロ/ Côte des Prés-Girotsの名前よりも、隣の代表的なクリマ/Climatであるレ・フルノ―/ Les Fourneauxの名前で販売されることのほうが多いです。
- 1429年に« pré giraut »と綴られたこのクリマ/ Climatは、最終的に« la Côte des Prés-Girots »となりました。それはまるで、草原の上方に位置しながら、この渓谷の底部の形状と一致している斜面を反映しているかのようです。ラテン語のGyrare は、« giratoire 回転の»の起源で、そこから意味が広がり、回転する草原の意味の« Prés-Girots »となりました。伝説によるとこの名前は、この土地の古い地主であったGirault一族、あるいはGirardという名前に帰すとも言われています。